こだわり

先週、少し元気のない美術家と電話で語り合う。どうやら100%の力で創作しようとしている。こういうタイプの方は真面目な頑張り屋さん。とにかく美術が大好きで夢を持って精一杯やっていこうとしている。しかし、人はエネルギッシュであればエネルギッシュであるほど、力づくになって空回りしやすくなる。純粋ということはいいことではあるが、同時に作品制作において融通が利かなかったりする。直感でひらめいたものに直線的になれない。自分の個性を活かせずに、ただただ焦っているのだ。
だから、あわてないあわてない。ひたむきに頑張ればいい。思うように作品ができなくても、努力したことは無駄にならない。いつも全力でやらければならないと、自分を自分にプレッシャーをかけない。何かに挑戦して失敗することは悪くない。失敗したことを課題にすればいい。成長への足掛かりになるはずだ。自分の才能のすべて活かさなくてもいい。ある程度の能力を上手く使えばいいと開き直ろう。できないことは次回のお楽しみ!いつも結果を寛容に受けとめていくのだ。
つまり、今すぐできなくても無駄なことではない。上手くできなくてもなんとかなる。チャレンジとは前進を意味する。なにもできないままではない。創作とは困難に満ちた大冒険。それを成し遂げるには並大抵の努力ではできない。私はひとつでもできることがあるならば、そこから可能性を見い出せるはずと助言する。やる気こそが最大の武器だ。どんな状況になっても、それを救うのは自分自身だ。これをやるしかないと覚悟できれば、創作する姿勢が良くなっていくだろう。