悪友

5年前、本日から個展を開くコサカダイキ君を私の紹介してくれたのは、今や飛ぶ鳥を落とす勢いで大活躍をしているイラストレーターのりおた君だった。この二人は防府市出身同士。実家も目と鼻の先。偶然、同じ美容院に通っていて、「いずれイラストの世界で勝負してみたい」と、コサカ君の正直な気持ちを声を聴いたオーナーが、「だったら、親しいりおた君に会わせてあげるよ」という流れになって出会うことができた。

ちなみに当時のりおた君は、一般の人たちの間でも知名度が広がり始め、全国区の雑誌などの仕事もいくつか入るようになってきた。専門学校を卒業した直後から、いきなりプロ宣言をして我武者羅に駆け抜いて、ようやくイラスト業界のいろんなことがわかってきて、若いエネルギーを存分に燃やしながら活動していた。
そんなイラストに人生をかけて燃えている姿を見た瞬間、あれこれ迷っていた気持ちが吹っ切れてしまう。「よし、やってやるぞ!」。1年以内にコサカ君は会社勤めをやめて、ずっと封印していた子供の頃からの夢に向かって進んでいった。人生は一度っきり。目標であり尊敬すべき先輩と出会えたことで、自分が一番やりたかった世界へ飛び込むことになる。いわゆる運命的な出会いにめぐまれ、本心を発見することができたのだろう。