愛しのイタリアン

一昨日まで近くの文化施設で、3年ぶり4回目の日伊合同写真展が行われた。イタリアンレストランを経営する妻の粉川妙さんともに、ここに移住してきた美術家 ロベルト・ピビリさんを中心に生まれた仲間によるグループ展。当初は年1度のペースが、コロナ感染症の影響で足踏みをする。

そんな危機的な状況を味わったためか、出展者はこの瞬間に生きるを表現していた。これまでの各自が思い思いの作品を展示するのではなく、どこかでお互いがお互いを意識した感覚から、結びつくような雰囲気をベースに豊かに写し出していた。やはり現在の危機的状況において、この困難を乗り切っていくには、たった独りできないことを悟っている。小さな力でもたくさん集まれば、それが新しく生きる力になることを、直感的に感じているからチームになれるのだろう。

いずれにしても力を合わせれば山を動かせる。エネルギーが繋がり合っていけば、大きな可能性を育んでいける。海に一滴の淡水を注ぐようなことを馬鹿にしてはいけない。こうした活気はロベルトさんのおかげ。イタリアからやって来た奇想天外な美術家は、誰もが予想できない化学反応を促進していく。周囲から浮き上がるのを恐れずに、とっぴな行動によって革命を起こしたのだ。人の才能は危機に立った時にはじめてその資質がわかる。どんな時も在りのままに生きるロベルトさん。美術を極めるには何が必要なのかを教えてくれる。