失敗は成功の母

私は小学校低学年の頃、外で遊んではよく転んでいた。それは体力が貧弱だったことと、運動神経が悪かったことが原因で、当然といえば当然なのことである。おかげで生傷絶えまなし。いつも身体のあちこちにばんそうこうを張っていた。しかし、その割には大きなケガをすることがなかった。もちろん、運が良かったのだ。それに加えて、これだけの数ほど転んでしまえば、さすが転び方が上手くなって、危機一髪で危険を回避していたのだろう。たくさんの痛々しい経験が、身体の動かし方を覚えさせて、たくましくしてくれたのだった。

だから、私は悟った。人生においての失敗は成功の母になるはず。何かにチャレンジして失敗することを恐れてはいけない。ついつい上手くいくことだけしようすれば、今やれそうことばかりに終始する。なんだかんだ言って過保護にすると、どうしてもひ弱な人間になってしまい、ちょっとしたことで大ケガしやすくなるのだ。

つまり、失敗という心の痛手を受ければ、その窮地を癒すのは成功への努力しかない。何かの壁にぶち当たることがあれば、乗り越えようと創意工夫することで、人間的に成長することができる。ピンチのたびにへたへたと挫けていたら、何もできないまま変わることはない。さまざまな失敗をバネにして向上していくのだ。