随処作主、立処皆真

禅語にある「随処に主と作れば、立処皆な真なり」。この言葉は、いついかなるところでも主となって、自らの主体性を見失いことなく、最善を尽くして主人公でいよう。そうすれば、その人の行動は真実であって間違いではない。どんな状況にも振り回されることなく、勇気を出して切り拓いていけばいい。辛く苦しい状況や困難にぶつかった時も、自分自身が主体的に動けば、そこに意味が生まれてくるという教えである。

約5年前、知り合いになった若者は、なんと疎遠だった同級生の子。当時、高校生らしく未完の光がまばゆくて、さまざまなことに夢と希望を抱いていた。ただし、いろいろな知識も経験も不十分であるから、どこか不安に押しつぶされそうな危うさがあった。いわゆるそれが若さであって、青春のど真ん中を自分らしく歩こうとする姿に好感を持ってしまった。

その後、イラストを学ぶために地元の芸術短大へ進学。その動向は遠くから眺めていたので、細かいことはわからないけど、いろんなことに悪戦苦闘しながらも、一所懸命に取り組んでいったことが少しずつ良くなっていく。こつこつと真面目にやり続けるうちに身心ともに成長していった。多くの課題はあるものの、その努力は着実に実りつつある。なんだかんだ言っても人生の主人公はあなた自身。自分の長所に気が付けば、自分らしい人生になっていく。この調子で頑張れ!私はいつも背中を押すだけだ。