諸君、狂いたまえ!

7年前、NHK太河ドラマ『花燃ゆ』の中で、松陰先生は「諸君、狂いたまえ!」と叫んでいた。その意味は常識や前提にとらわれずに生きるのだ!自分に才能がないとか、失敗したらどうしようとか、負の結果は気にしなくていい。まだまだ自分は力不足だと諦めてしまえば、いつまで経っても現状維持のまま。できるか、できないかはやってみなければわからない。

本当にやる気のある人なら、できると信じて行動するのみ。世間一般の常識と呼ばれるものに惑わされるな。まわりの価値観に安易に流されてはいけない。百人いたら百人がやめた方がいいと言われても、自分の信じた道をまっしぐらに駆け抜けていく。たとえ周囲に狂人だと言われても、ひたすら突き進んでいく。既成の枠から思いっきりはみ出し、空気の読めない愚直な人になろう。

つまり、なにごとも精いっぱいやり尽くさなければ、自分にどれだけの才能があるかわからない。これから先にどんな困難が待っていようが、目の前のひとつのことに全身全霊を傾けていこう。並大抵の精神では行き着かない場所へ、情熱を燃やして突き進む。このような熱いメッセージで塾生たちに志を持って一心不乱に生きることを鼓舞していった。美術も同じように夢を抱いて行動することが大切だ。「諸君、狂いたまえ!」。心を尽くすことの積み重ねが、自分自身の限界を広げて、個性を豊かに育んでいくのだろう。