友愛

月曜の夜は、NHK Eテレの100分de名著「アリストテレス“ニコマコス倫理学④ 友愛愛(フィリア)とは何か」を楽しむ。この番組は一見とっつきにくい名著を、やさしく噛み砕いて読み解いて、とても勉強になることが多いため、毎回欠かさずに見ている。とにかく、どんなテーマであっても、いつも新鮮に感じてしまうのは、学校の勉強をおろそかにしてきた賜物・・・ではなく、ただ単純に学び直しをせざる得ない状況なのだろう。

だから、このたびの放送も有意義な時間になった。友愛とは人と人とを深く結びつける愛。アリストテレスは『なぜなら、人間とは社会的な存在であって、他者と共に生きる自然本性をもっているからである』と言い、一人で生きられるのは野獣か神しか存在せず、人と共に人と生きて初めて人間である。実際に愛する友なしには、たとえ他の善きものをすべて持っていたとしても、だれも生きてゆきたいとは思わないであろう、とした。

それゆえ、友愛の要素として『道徳的に善いもの』『快楽的に善いもの』『有用的に善いもの』の3つを挙げる。そして、このことをもとに『相手に好意を持ち、善を願う(相手に役立つもの)』『相手もこちらに好意を抱いている』『(一方通行ではなく)互いに相手の相手の思いに気付いている』によって友愛は成り立つとする。互いに考え方を深めて、相手の人柄全体を互いに愛し合う、人柄に基づいた友愛こそが一番価値がある。ギャラリーでも互いに尊敬するもの同志は感性を刺激し合う。いわゆる切磋琢磨することで成長していく。友愛の思想から創造力は向上するのだ。