非凡

太宰治の言葉に「平凡な日々の業務に精励するということこそ、もっとも高尚な精神生活かも知れない」がある。
日々の生活の中で真面目にこつこつと小さな努力を繰り返す。基本的なことがいつでもできるように静かに備える。決して特別なことをしていくために、こうしたことを怠らずにやるのではない。この世はいっ時も待ってくれずに常に変化していく。諸行無常、万物流転、すべてのものは移り変わる運命にある。
だから、これまでどれほど成果が挙がっていたことでも、社会の価値観は変化していくから、その都度、新しい取り組み方で活路を見い出す必要がある。成功体験や古い価値体系にしがみつかずに生きてみよう。新鮮で旬なものを発見できるように、これまでのことはいったん忘れて、風通しの良く雑念のない心が大切にしていく。
つまり、豊かな感性とは偶然に得られるものではない。不断の努力をもって、自らの目や耳、五感を研ぎ澄ませて求めなければならない。根気よく可能性を広げていくことで、楽しいこと、面白いことに巡り合える。こつこつと素質を育んでいけば、品格のあるものになっていくだろう。