朋友

松陰先生が唱える「朋友相交わるは、善道を以て忠告することもとよりなり」とは、友だちと交わるとには真心をもって、善に導くようにすすめることは、言うまでもないことだという意味である。

この教えは美術談義の基本だと言えること。たしかに同じ作品でも観る人によって感想が違ってくるため、周囲の人たちのよかれと思ってのアドバイスでも、勝手な押し付けに感じてしまうことだってある。そんなことは知っているよ、今更言わなくたっていい、と心の中でつぶやきたい時もある。

だから、友人知人などからの手きびしい言葉であっても、その人が伸びることを信じての有難いエールということを忘れてはいけない。耳が痛くなるような指摘であっても、聴こえてくるものに耳を傾けることが大切になるのだ。

まずはありのままに受けとめて、自分なりにそしゃくしてみよう。例え意見が違っても個性だと尊重する。プラスの視点から捉えれば、薬として活かしていけるはず。学ぼうする心さえあれば、成長への糧にしていけるだろう。