居場所

炎の画家 ゴッホの言葉に「多くの人の目には、私はどう映るだろうか。影の薄い、風変わりな、感じの悪い人間。社会に居場所がなく、これからもないだろう、つまりは、最下層の人間だ。よろしい、それが絶対的な真実だとしても、私はいつの日か、異様な、何者でもない者の心にあるものを、自らの作品によって示したいと思う」がある。

人には誰でも自分らしくいられる場所がある。自分の個性を必要としてくれる場所がある。何かが役立ち貢献できるからこそ、人はありのままに生きていけばいい。自分の持ち場でその時にできることを精一杯やればいい。どんな時でも足元を見つめて、これまで積み重ねたことを信じ、ほんの少しでも心安らげれば、そこが拠り所であることは間違いない。

いわゆるゴッホは普通の人と同じような価値観で生きていこうとしなかった。いや、一般常識からわざとはみ出した発想や行動をしていたのかもしれない。ゴッホは奇天烈なパフォーマンスをしながら、自分にとって心地よい環境を探し求めていた。何が正しいなんてわからないから、ハチャメチャに生きていった。つまり、現実から逃れずに芸術と向き合ったから、満身創痍の激しい戦いをしたいったのだろう。