極北

写真家 石川直樹さんの著書『極北へ』の巻頭に「極北の大地とのつきあいは長い。その源は、ぼくが高校生の頃に遡る。十七歳になったばかりの夏、はじめての海外一人旅でインドに行った。インドでの体験はそれまでの自分を粉々にしてしまうほど強烈で、その衝撃ゆえに、帰国後もしばらくは悶々としていた。

まわりがそろそろ受験勉強をはじめたという時期に、ぼくは一人そうした日々に疑問をもち、自分が進むべき活路を学校生活に見いだせなくなっていた。テストでいい点をとるために年号や公式を暗記することを半ば放棄し、世界中を旅して写真を撮り、文章を書いて生きていくためにはどうしたらいいか、そんなことばかり考えていた」という文章がある。

昨夜、古くからの友人のおかげで、石川直樹さんのミニ講演会を開催する。コロナ感染症が終息していないため、シークレットで限られた人数で行ったが、石川さんのお話しはスケールが大きくて、聴き応えが満載でとても刺激的だった。特に私のような井の中に生きている者にとっては、世界の最高峰を疑似体験した気持ちなれる学びの時間になった。一般的に他人の経験は教訓となり、有益に活かせることだけど、これほど桁違いに規格外になると、偉人と出会ったような高揚感がある。また、近いうちにお会いしましょう!それまでに勉強しておきます。