愚直さ

若者の最大の武器と言えば、恐れを知らないことである。まだまだ勉強不足でいろんなことを知らないのは決して悪いことではない。余計なことを知ってしまうと、それによって悩みや迷いができたり、生きづらいと感じてくるから、知らぬが仏はあながち間違っていない。もちろん、知ることは大切なことだけど、それは知る内容によりけりで、なまじっかなことを知ると先入観や偏見になるだろう。

美術の世界の若者も同じことが言える。いろいろな情報を集めて、詳しく調べてみると、右を向いても左を向いても凄い人ばかり。これから先、何をやっても上手くいかないような気がしてくる。さらに美術家を目指すライバルの数は半端じゃない。夢を持って努力している人は無数にいる。こういう状況を冷静に考えてみれば、自分ごときに新しいことはできないと、絶望的な気持ちになってもおかしくない。

「愚直と笑わるるとも、終局の勝利は必ず誠実な者に帰すべし」という名言がある。この場合の愚直とは馬鹿正直のことで、いわゆる一途さを指す。その愚直さゆえに人から笑われることもある。しかし、最後にことを成し遂げるのは必ずそういう人だ。最終的に成功を得られるのはひたむきに取り組み続けた人の熱い思いは実る。だから、日々の行動すべてが創造力につながると若者らしく純粋に信じて可能性を求めよう!