若者たち

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小学校の恩師が心から愛していた歌「若者たち」。1960年代の流行ったものだ。『君の行く道は果てしなく遠い、だのになぜ、歯をくいしばり、君は行くのか、そんなにしてまで』という歌詞に、夢と現実のギャップに苦しむ若者の姿が浮かでくる。自分の好きなことを純粋に貫いたが故に、どんどん過酷な状況に陥っていく。それでも前を向いて歩いていける勇気を持とう。一度っきりの人生なのだから、くよくよしないで一歩一歩進んでいく。そんな熱いメッセージに励まされたのだろう。
また、郷土画家 松田正平先生の「二十歳になった頃の美術学生の目的は、画を描いて何とか暮らしが立てばと、これが最高の願いであった。女房、子供を養うなど考えてもみなかった。戦争がやっと終り、四十、五十と齢を重ねても、画では果てしなく食えなかった。自分が好きなものを好きに描いた画を、全く知らぬ人が買い出したのは、六十五歳くらの頃である。七十になってやっと安定したのだから、普通の人と話しても何のことやらわからないらしい。この時代の貧乏話は、ぐち話で書くときりがない」という言葉にも夢と現実の厳しさが伝わってくる。
そうなのだ!今の時代も美術家を目指す人はこの真理を受け止めよう。普通の人と同じ生活を捨てて、そこからはみ出して生きていく。サラリーに縁がないことを覚悟しなければいけない。きっと人工知能で指針を計算することはできない。人間にしか味わえない夢という媚薬は摩訶不思議なもの。それがエネルギーになって創作できるのだ。ただ一つ
美術の良いところは創作には失敗がないことだ。あるのはこれでまた成功に近づいただけ!だからいつまでも夢を武器にして愚直に創作していこう。この前向きな気持ちが一番大切ななものだと思う。