自灯明 法灯明

ブッダが最期に残した言葉に「自灯明」「法灯明」がある。「自灯明」とは自分自身を頼りとすることをいい、「法灯明」とは真理を頼りとすることをいう。暗闇のなかで灯す明かりのように、自分自身を頼りとし、真理を頼りとしていく。ブッダはこの2つのことを灯火として生きるようにと、弟子たちに最後の教えとして説いたのだろう。
つまり、常に自分というものに主体を置き、誰かの物言いに左右されるこなく、これまで積み重ねたものを信じてみる。いわゆる真理を頼りにして生きなさいという意味。正しいことが何かがわからなければ、ずっと迷ったまま、悩みや苦しみのある人生になりやすい。故に、本当に正しいことを灯火にして生きなさいという言葉を残したのだ。
ところで、昨日から佐々木範子さんの個展が始まり、とても有難いことに来場者はずっと途切れず、あっという間に時間が過ぎていった。これも佐々木さんが醸し出すオーラの賜物。美術を愛する気持ちが輝いて、闇夜を灯すロウソクのように、周囲を明るく照らしていく。心は外側から見えないけれど、その作品を観れば、どんな心なのかはわかってくる。夢と希望のある創造力は伝わっていく。