初心忘るべからず

「是非の初心忘るべからず。時事の初心忘るべからず。老後の初心忘るべからず」という世阿弥の名言がある。

まず「是非の初心」とは、若い頃に無我夢中になって取り組んだことや、当時の未熟だった自分のことを忘れてはならないということだ。次に「時々の初心」とは、人生の大きな節目ごとに、あらためて一から学んでいく気持ちを忘れてはならないということだ。

3つ目の「老後の初心」とは、高齢になったからと諦めたり、年長者だから偉いと傲慢になるのではない。いくつになっても初めてのこととして謙虚に向き合い、新たな気持ちで取り組むことが大切だ。故に、経験を重ねて腕を上げ、認められても油断することなく、謙虚な姿勢で誠実さを忘れないこと。心を柔軟にしていれば、どのようにも変化できるため、成長できることが多いだろう。