ムードメーカーとは、そこにいるだけで雰囲気を和ませて、明るくしてくれる人のこと。しかも、その美しい所作と振る舞いはさり気なく、やさしい気遣いで行われるため、よくわからないうちに幸せな気分になる。そんな人に私はなりたい！誰しもがそう思うはず。それくらい現実でやろうとすれば難しいこと。ただ太鼓持ちをしたらいいわけではない。
昨日まで個展を開催した佐々木範子さん。四人姉弟の二番目の次女で、自由に伸び伸び育ったせいか、家族のムードメーカーとして大活躍。誕生日会やクリスマスなどがあるたびに、いつも何かを作ってはあたたかいコミュニケーションを演出する。けれど、縁の下の力持ちタイプ。自分のことは良いからと一歩引いた位置に立ち、みんなの楽しむ姿を喜びしている。
だから、その作品も同じように観る人の心をワクワクさせたい気持ちで溢れていた。これまで幾度も辛いことに直面してきたが、苦労してきたことは微塵も感じさせずに、粛々と自分のできることに最善を尽くす。画家という夢を感じさせる世界の一員に徹して生きている。このまま絵を良さを広めていく伝道師であれ。素朴な世界観でも感じさせられるだろう。
