自己評価

昨夜はNHK Eテレ『ロッチと子羊 迷えるあなたに哲学を』で、悩める漫才コンビ・まんじゅう大帝国の相談「売れない不安を解消するホネット哲学」を楽しむ。ちなみにこの番組は、ロッチが悩める人々を救うために、そのヒントになる世界の哲学者の考えを山口大学小川仁志教授が伝授していく。いくつかの事例を具体的に挙げながら、問題点をわかりやすい解説で指摘し、解決の手段を的確に教えてくれる。

この時はドイツの哲学者 アクセル・ホネットの言葉「人気とは他人からチヤホヤされるためのものではありません。人気とは自律のためのものなのです」を引用。哲学でいう自律の意味は本当の自己像。人は自分の顔を見るために鏡を使うように、自分のお笑いの才能を確かめるには、鏡の代わりに他者の評価によってわかってくるもの。つまり、人気によって本当の自己像を知っていく。人気でチヤホヤされるだけでは、自律したことにはならないのだ。

小川先生は本当の自律するために「自己評価(家族や恋人など近しい関係で獲得)」「自己尊重(仕事などで社会に貢献をしている実感によって獲得)「自己評価(所属する共同体との関係性の中で、自分の能力を認められることによって獲得。人気もこれに相当する)の3つが一定以上のレベルでバランスよく満たしていくこと。自己評価さえ高くすれば、一発大逆転できるの発想では不安のまま。自己評価に過剰に高い理想を抱かず、自己尊重や自己信頼が独立した形で満たされれば、現実とのギャップが減って、不安は軽減されるとアドバイスした