思考力

ことわざの「十で神童、十五で才子、二十歳過ぎれば只の人」とは、幼少時代は並外れてすぐれているように見えても、成長するにしたがって、まったくの平々凡々の人になることが多いというたとえである。私はこのことわざを、もとは天才的なセンスの持ち主であっても、学校で詰め込み教育を受け続けていると、中身をあまり疑わないで丸飲みすることに飼い馴らされて、ついには教わったことを頭に入れただけの知識的な人間になりやすいという意味だと考えている。

もちろん、知識を増やすことは生きる力と比例している。その人の知識が増えれてくれば、好きなことや得意なことを発見するための基礎が安定してくる。ある程度の知識を得ることで、心のよりどころにもなるし、日常生活を平穏に過ごすための助けにもなる。だけど、新しいことを創造するには知識だけでは不充分。自分なりに感じたことから想像する力が不可欠。つまり、必要性の低い知識は適切に断捨離して、思考力を活性化させることが大切になるのだ。