ただ発見である

先週、お昼過ぎに所用で車を運転していると、カーラジオから偉人・先人の名言を紹介する番組が始まり、スペインで100年以上たった今もまだ完成していないサグラダファミリアを設計した建築家アントニ・ガウディの「世の中に新しい創造などない。あるのはただ発見である」という言葉が流れてきた。

いわゆる創造とは、これまでになかった新しいものを産み出すことで、よってオリジナリティの強いものに対して使われることが多い。独自性の高いものを創り出すことができれば、それは新しいものとして成り立つ可能性が高くなる。だからって、いくら誰もやってないことでも、デタラメになってはいけない。これまでないものばかり追い求めた結果、奇天烈なものになっては無意味である。

つまり、新しいことを創造するためには、既存にあるものをよく観察してから、ちょっと視点を変えて試行していくこと。とことん何かを深く見つめるうちに、常識の壁に苛まれていたことを乗り越え、フレッシュな感覚が目覚めてくるはずだ。人は小さなことをきっかけに、イマジネーションが刺激されて、創造的な発想が湧き出すようになる。「創造的たろうとして脇道にそれてはならない。通常なされていることを観察し、それをよりよくしようと努力すればそれでよい」という別のガウディの言葉のように、自分なりに発見することに心掛けて、さまざまな出会いを楽しんでいこう。