イマジネーション

地動説を唱えたコペルニクスは「自分が何を知っているのかを知っていることを知り、自分が何を知らないのかを知っていないということを知ること。それこそが真の知識です」という言葉を残している。

これまで人類は科学の力によって、たくさんのことを解明してきた。たとえば、コペルニクスのおかげで、太陽が地球のまわりを回っているのではなく、地球が太陽のまわりを回っていることを知って、天動説を信じている人は滅多にお目にかかることはない。特に、現代のように宇宙衛星から撮影した地球の画像を見れば、論より証拠で、大昔に大西洋の果ては断崖絶壁なんて、戯言にしか聞こえないでしょう。

とは言え、それらを実際に自分の目で確かめた人はいないにひとしい。球体の上に暮らしていることは知識の域を抜け出せない。けれども、人々はそれをリカバリーするために想像力を持っている。むしろ、現実の壁を乗り越えてリアリティを感じてしまう。本当はまったく知らないくせに、堂々と表現して何食わぬ顔をしたりする。だからこそ、科学技術が発達していない時代に、地球の方が回っていることに気づいたのだろう。