あえて遠回り

美術家を志す人は目先の利益にこだわってはいけない。なぜなら、大きな視野を失うと成長のチャンスを逸する。いわゆる美術はその人らしい個性にあった表現で創作していくもの。いろんなことを試しながら、独自性を追究しなければならない。それ故、どうしても時間がかかってしまい、焦りから安易なことを手を染めて、その結果、どこにでもあるようなものに陥りやすい。

つまり、独自性に行きつくまで苦しむからこそ、それらすべての経験が肥やしになる。豊かな土壌がなかれば創作はできないと開き直り、目先の安易な誘惑に負けずに遠回りしよう。いつも広い視野から客観的に自分を見つめて可能性を探ってみよう。すべての道はローマに通ずと達観して、謙虚な気持ちで経験していけば、たくさんのチャンスにめぐりあえるだろう。どんなことでも未来への一里塚だと思って、一所懸命に創意工夫すればいい。