三方よし

漫画家 やなせたかしの名言に「ちゃんと利益が出て会社が儲かる、それによって僕が喜ぶ、読んだ人も喜ぶ。仕事をする以上、みんながいいほうがいいんです」がある。
今週、とある場所でお会いした方に「そちらのギャラリーは、どんな感じなのですか?」と尋ねられる。そこで「地元作家とともに、美術作品の販売を目的にしながら、鑑賞する人に振り向いてもらえるように、いつもいろんなことへ試行錯誤する店です」とお伝えしたところ、商売を包み隠さず告げたことが評価されて、興味を持ってもらうことができた。
つまり、近江商人三方よしと同じで、美術家(創り手)よし、鑑賞者(買い手)よし、そして、売り手もよしになるように努力するしかない。売った商人には利益が生まれて、買ったお客様にも喜んでもらい、さらに微力でも文化に貢献する商いが理想なのだ。ただし、こうして口で言うのは簡単だが、実行することは本当に難しい。悪戦苦闘の連続。だのに続けていけるのは、性に合っているから。この世界の魅力に取り憑かれているだけだ。