生の声

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生の声とは編集や脚色が加えられていない、その人が発したそのままの発言や意見のことだ。ここ最近、チャンスがあるたびに、某美術家が生前に発した声を集めている。もちろん、ご存命中は長い年月にわたって交遊し、美術について教えてもらった。特に晩年はわずかな言葉にも聞き耳を立てて、貴重なヒントになるように努力していた。その気持ちは真っ直ぐに伝わって、さらに熱量の高い言葉はもらって学んでいた。だからこそ続きを聞きたい!そう思うから実際に会った人たちに言葉を求めていくのだ。

昨日、そんな私に若者が新しい生の声を聞かせてくれた。山口芸短のオープンキャンパスの日。その頃、有名になっていた某美術家は会場に立っていた。そこで初めはためらっていたものの、勇気を振り絞って思い切って、美術家になることについて尋ねて
みる。すると実にシンプルな答えをもらった。
「美術家になるための自分らしい個性を見い出すことは難しい」。包み隠さない正直な言葉に感動する。そして、ここで学ぶことを決意した。後日、彼女と私が出会ってしばらしした時に、某美術家の葬儀に参列したことを告げられる。当時、私はすべてを知らなかったけど、稚拙な言葉で敬愛を語る姿に心を打たれる。それ以来、仲よくなった。ただし、甘くしないように心掛けている。もしかしたら某美術家の最後の教え子。だったら何をすべきなのか!
そのことを念頭に掲げて、切磋琢磨していこうと考えている。