天職

アリストテレスが残した「世間が必要としているものと、あなたの才能が交わっているところに、天職がある」という名言がある。

美術とは美術家と鑑賞者の共同作業によって創られていく。これを数学の方程式のように表したら「美術家×鑑賞者=美術」になるだろう。いわゆる美術家による一方的な押し付けになってはならない。少しずつでも作品の面白さを認めてもらい、好いところを発見してくれる観賞者の存在が必要不可欠。作品について語り合って切磋琢磨すれば、創造力が刺激されて、新しい創作へのヒントが生まれやすくなる

つまり、美術家を天職として活かしたいなら、鑑賞者との関わり方に気を付けるべし。まず最初は自分の作品を観て喜ぶ人たちの意見を大切にすればいい。肯定的な言葉は短所を小さくして長所を大きなものにする。こうして励まされていくと、自信を持つことができる。ただし、おだてられて得たものは自信にならない。いつも気持ちは五分五分にして、風通しを良く共感し合えれば、天職だと言われる日が近づくはずだ。