好きこそものの上手なれ

今週のNHK朝ドラ「ブギウギ」では、梅丸少女歌劇団のトップスター大和玲子が、壁にぶち当たっているヒロイン鈴子に対し、「焦っちゃダメよ。自分の個性みたいなものはね、いつか必ず見つかるから。続けていれば」と助言したところ、鈴子は悩みを見透かされた「なんで?」と動揺して言うが、大和は「でも続けることが一番大変なんだけどね」と微笑んだ後、「お疲れ」と去って行くシーンがあった。

その人らしい個性を発揮とは、素質や資質を具現化して表すこと。独自性のあるパフォーマンスになるまで、徹底的に反復して身に付けるしかない。少しくらいやって上手くできないからって諦めたり、投げ出したりするんじゃなくて、もがいて可能性や能力を探っていくこと。どんな時も恐れずに踏み出す勇気を持つことが大切になるのだ。

ところで、個展開催中の中野寿子さんは、その昔から美術愛が半端ではない。例え努力が水の泡になっても、なお好きの力を信じて向き合う。どんな苦労も厭わずに創作するのみ。根底に好きな気持ちがあるから、いつまでも好奇心を掻き立てて、独創性を求めていける。正に好きこそものの上手なれ。好きなことなら、とことんやればいい。