素直さ

美術のことを学ぶ人は知識を高めるために行うというより、美術への好奇心が強いから新しいものを追い求めて学ぶだけ。好きなことや楽しいことだから自発的に学ぶ意欲が湧いてくる。そして、いつでも感性を自由に使えるようにおさらいすれば、その人にふさわしい美的感覚が身に付いていく。何かを学べばそれだけで終わらしてはいけない。

また、誰かに美術センスを自慢するために学んではいけない。褒めてもらうために学んでもいけない。そういうさもしい気持ちがあると謙虚さがなくなり、得意満面になって美術への向上心を見失い、その段階で成長が止まってしまう。美術を学ぶのは人生を豊かにするためにある。素晴らしい機会だと考えて、とことん感性を悦ばしていくのだ。

昨日、臼杵万理実さんの大学院生時代の恩師が相次いで来場。やはり時が経っても師弟関係は変わらない。彼女の作品を鑑賞してから実直で親切なアドバイスをいくつも頂戴する。これもその言葉を一所懸命に聞く姿勢があるから言いたくなるだろう。素直に学ぶ人には好い流れが続いていく。学び取る気持ちがなければ、なにも教えてくれない。