『熱』

私にとって今年1年にあったことを漢字ひと文字で表すとしたら「熱」である。いわゆるコロナ感染症がひと段落してきたことで人流が活発化してきた。ここギャラリーに集まる面々による美術談義も、密になれなかった年月を埋め合わせようとして、いろんなことの情報交換が盛んに行われて、自ずと熱いトークがどんどん生まれていった。

そもそも美術家は夢を持って生きているため、自然と楽観的な発想になりやすい。実際に上手くいくかどうかはさておき、みんな自分は必ず成功できると純粋に信じる。だからこそ、自分にしかできない世界観を求めて、新たなことへ果敢に挑戦していける。例え失敗してもワクワク感で相殺して、未知なることにただ希望を燃やて生きるのみ。

つまり、独創的な表現を創り出すのに、未来を照らす明るさが必要になる。内心は不安な気持ちでいっぱいでも、いずれ良いものができると信じていく。ただし、独りよがりではいけない。熱いコミュニケーションであること。情熱と熱烈さのある者同士によって、創造的な化学反応を起こしていく。やはり美術家は熱くなければならない。そんな原点を改めて思い知る。やっぱりパッションなんだぜ!