まどみちおさんが残した「絵でも詩でも、とにかくマンネリをしてはいかんということに一生懸命です。人まねをするようなことはまずないと思うんだけれど、うっかりしていると自分のまねをしているかもしれません。けれども不思議なもので、マンネリにならんように、ならんようにとこれだけ強く思っておると、これまでに描いたことのない絵を何かしら描くことができるんです。これは不思議ですね」という名言がある。
いわゆる創作する人がマンネリに陥っていくのは、目の肥えた人たちから評価を得た作品を、さらによく言われるためにこだわり過ぎると、いつまでも同じようなことを繰り返しやすい。要するに過去の作品の出来栄えに満足すれば、新しい創作へ冒険していく意欲が失せるため、マイナーチェンジばかりで停滞してしまう。だからこそ、マンネリ化しないように自らを鼓舞して美術と向き合うこと。どこまでも才能を信じて一所懸命に努力すれば、その作品は常に個性豊かに変化していくだろう。
