新鮮さと輝き

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先日、ある方から山口県美術展覧会の魅力ついて尋ねられる。「何が良いと思われていますか?」。それについて私は、あくまでも私見だと前置きして、以下のようなことをお話しする。マンネリに陥らないように新鮮さにこだわり、そのため審査員は県外の専門家に招いて、かつ誰もが参加できる公開審査会にして、ガラス張りの透明度を高くしている。さらに大賞受賞者は翌年に招待出品になるため、真の実力を問うフォローアップの体制も整備されている。1年間をかけてじっくりと創作できる大きなチャンスだ。新しい美術家を誕生することを願う、素晴らしいポリシーを感じると答えた。
そう、これが県美展の面白いところ。時代を超えて進化していった。こうなるのではないかと、計算はもちろんするのだが、そのような想定をはみ出すことで、新たな基準が生まれてくる。極端なことをいうと、観たこともない作品を発掘するために、その観たこともない何かに捉われて、ジグザグと迷走することもあったりする。それなのにその問いに向かって多くの人々が挑戦していく。ハッキリとした答えのない世界だから、自分にもできるかもしれないという、淡い可能性を信じて体当たりをしたくなるのだ。
つまり普通の公募団体展などと違って、完成度の高い作品より発展途上の作品が選ばれやすい。わかりやすく言ったら、はじめから上手いと言われるものより、今は未熟であっても何かを感じられるものに、将来の期待を込めて評価することで個性を尊重する。何か光るもの、新鮮な印象を与えるもの、この漠然としたもどかしいものから、新しい文化の担い手を発見していく、唯一無二のスタイルを目指す美術公募展だ。これからも様々な創造が生まれて、私たちを興奮させてくれるはずだ。そんな思いを長々と語ってしまった。思い起こして文章にしてみたら、実にコンパクトに書き綴ることができる。まだまだよくわかっていないのだろう。もっと学んで真髄を短く語りたい!修行の日々はこれからも続いていくのだ!