忠告

「弱いものが強いものに勝ち、柔らかいものが剛いものに勝つ。そのことはだれもが知っているが、行えるものはいない」とは老子の教えだ。
かつて、臼杵万理実さんの作品名に「弱虫でもできること」があった。これは20歳前後に絵を思うように描けなくて、嫌になって投げやりになることもあったが、これではいけないと生き方を見直し、自分の弱さを包み隠さずに、真正面から創作と向き合うために名付けたという。
厳しい現実から逃げ回っても成長することはない。中途半端な気持ちは脱ぎ捨てて、今できることに努力あるのみ。小さな勇気を胸に秘めて辛抱強く取り組んでいった。あれから10年以上経ったけど、彼女は今もこの言葉を噛みしめている。弱い自分を忘れることはない。いつまでも下っ端根性でいるから、いろんなことを学びにするのだろう。