目力

松陰先生が残した「悔いるよりも、今日直ちに決意して、仕事を始め技術をためすべきである。何も着手に年齢の早い晩い(おそい)は問題にならない」という名言がある。

美術の世界において、どれくらいのキャリアやレベル、または年齢の人を新人賞の対象にしていいのか線引きするための基準はとても難しい。なぜなら、美術の分野はいろいろな表現手段がある上に、伝統的なのか現代的なのかの要素も加わり幅広くなるので、どうすれば新しい人材を発掘する良い方法になるのかは複雑を極めるとしか言えない。

ちなみに私が新人賞の基準を決めるとすれば、少なくてもプロの根性の持ち主であること。現時点でのパフォーマンスより、創作への意欲が伝わってきたらいい。美術作品は1万時間くらいをかけて、絶対数を制作すれば必ず上達する。そんな苦難な道を歩む覚悟があれば上手くいくだろう。つまり、作品よりもその人の目を見て審査すれば間違いはない。