熱意

一昨日、広島市現代美術館でコレクション(所蔵品)展を観て回ると、現代美術家 故・殿敷侃さんが1987年に長門市二位ノ浜で約100人の参加者とともに、浜辺でゴミ拾いをアートするプロジェクトで、みんなで集めたプラスチックなどのゴミを燃やして出来上がった「山口ー日本海ー二位ノ浜 お好み焼き」のオブジェと再会する。

なんともひさしぶりに観たというより、初めて観たという方が正しくて、それくらい新鮮な感触を味わう。当時、あまりにも斬新的な作品だったため、一般人はもとより多くの美術家も受け入れてもらえず、隅っこに追いやられた作品。それでも、殿敷さんの創作への情熱にほだされて、ボランティアで作品制作に関わる人たちがいた。

みんなよくわからなかったけど、これが素晴らしいアートだと信じて、メッセージ性の強い作品を創り上げた。ちなみにこの作品から2年後、同館で作品発表中の原田裕規君が誕生。殿敷さんと同様に、鋭い視点から文化の破片を探り出し、自分らしい着想で表現している。二人とも妥協しないタイプ。やると決めたら、できるまでやっていく。