我思うゆえにわれあり

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クイズ番組の面白さとは出演している解答者とともに、一緒になってあれやこれやと答えを考えられることだ。少しでも知識が向上していくことなら興味が湧いてくる。だから出される問題は難し過ぎても易し過ぎてもいけない。視聴者が手の届く絶妙なさじ加減であること。どこまで好奇心を刺激し続けられるのかが要求される。そして、自分なりに考えた答えが正解になることの喜び。真面目に見た人へのご褒美というのか、自分の教養が役立つ達成感は、大袈裟に言ったら「生きてて良かった」と感じる瞬間だ。それくらい感動できる。いや、人はとても単純な生きもの。そんな感情が生まれるのが普通なのだ。

ところで上記の文章の「クイズ番組」を「美術展覧会」に置き換えてみたら如何なものか?実は昨今の美術展はとても親切で身近なものになった。私の若い頃に比べたら企画する美術評論家学芸員は、本質を崩さずに興味を広げるために最大限に努力している。ただし、参加者(鑑賞者)に最低限の教養が必要になる。それはルールを知っているかではなく、いつも自分の頭で考えているかどうかだ。自分の答えにこだわること。そうじゃなれば面白さは生れない。面白くないことを他人のせいにするのはお門違いだ。素直に自分目線でアートを受けとめて楽しもう!