バラエティー

イメージ 1

パッと観ただけではよくわからない、複雑な美術作品を初めて鑑賞した人には、大きくわけて二通りの反応がある。まずはなんとも形容し難い作品だと受け容れて、なぜこのような表現にするのかと糸口を探し、興味津々とした面持ちで見つ目ている人。好奇心が旺盛で常識に捉われない柔軟さと、見えないものを想像していく力がある。

その一方、これは芸術なのだと大筋で認めながらも、表現の自由が許されるからって、このように複雑なことをすることは、まったく馬鹿馬鹿しいと考えている人。シンプルでわかりやすく、ストレートに伝わるものを好んで、効率よく楽しむ感覚の持ち主。どちらかと言えば真面目なタイプ。応用力には欠けるが、本質を崩さない献身的な力がある。


この2つの力はどちらもが必要だ。それぞれ相反する視点があるからこそ、美術の世界観は大きく広がっていくもの。どちらか一方の世界だけではやがて停滞していく。自分は完璧だと思っていたら、新しい考え方は浮かんでこないし、時代の変化についていくことはできない。異なる二つの視点から生まれる摩擦を活かしていく。それが自分にとって都合の良いものであれ悪いものであれ、それぞれに意味があるからいい加減にせずに大切にする。一つひとつの経験を化学反応させて、成長のエネルギーにしていこう! ※ 画像は造形作家の稲田絵美さんの作品。今、彼女は乗っています!