地獄と極楽は、実は同じ世界

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「地獄と極楽は、実は同じ世界」という仏教法話がある。このお話は地獄と極楽のどちらにも大きな釜があって、中に美味しそうなうどんがそれぞれ入っている。その釜からうどんを食べるためには、1メートルの長い箸を使うしかない。ここがターニングポイント。地獄と極楽に分かれてしまう。地獄にいる人は、我先にうどんを食べようと人を押しのけ、また、あまりに長い箸のために、自分の口まで運べずに食べられないまま。終いには他人が掴んだうどんを無理矢理に奪おうとする。

これに対して極楽では、自分の長い箸で掴んだうどんを届く範囲の人にあげて、みんながもれなく食べられるようにお互い様で助け合う。そうしてるうちに、いつかは誰かが自分の口にうどんを運んでくれて、おなかが膨らんでいくでしょう。このように同じ条件であるにも関わらず、心掛け一1つで全く違った光景になってしまう。つまり世の中は、そこにいる人たちの心の持ち様で、地獄にでも極楽にでもなるから恐ろしい。私はよく若い美術家に「美術家は働いている人たちに支えもらっている職業。だからそのお返しに夢や希望、元気になれる刺激を与えてよう」と語っています。その理念はここで書いたとおり。どうしても利己主義になりやすいから、豊かな魂で利他主義になることを意識させています。

■秋のミ・カ・ク展 岡本よしろう、岸透子、佐々木範子、原田優衣、松田淳 (五十音順・敬称略) 2018年11月3日(土・祝)~18日(日) 11:00-19:00 定休日 11月7日(水)、13日(火)、14日(水) ※画像は原田優衣さんの作品です。