経験知

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天職という呼ばれるものがある。これはたくさん失敗して得た経験から、それ以外にやれそうなことを見つけて、最大限の努力して手に入れた職のこと。自分にはこれしかできないと思い込んで、生甲斐を感じてやれる仕事のことだろう。一つの判断、意思決定というものは、数多くの挑戦によって成り立っている。最初からこれぞ私の理想の職業なんて言い切れるものはない。実際にやってみないとわからないものだらけ。私たちは意味のあるものとないものの境界線を知るために生きているのかもしれない。
つまり、この世の中で何が正解かわからないからこそ、何度もチャレンジして自分らしい個性が生れてくる。とにかくめげることなく、前向きに取り組むパフォーマンスに圧倒されて、人は敬意を表して天職だと言うのだ。だから簡単に天職です!なんていう人には、どこか違和感を抱いてしまう。ことわざの「失敗は成功の母」ではないが、そういう自信や誇りは多くの経験を積み重ねて養われるもの。自己申告によってではなく、周囲の人にそう呼ばれるようになって、本物だと言われるようになるのだ。
美術家とは創作に信念を持って続けられる人のこと。ビビッとくる直感をヒントに着想はするものの、そこから何かを掘り下げていくことで、それまでになかった世界観を表現できるようになる。過去に経験したものと異なることを発見して、本当の意味での独自性の高さに繋げる力があるのだ。決して反射的な感覚だけで判断したり、勝手に思い込んでしない冷静さを持っている。これしかないとならずに、これ以外の可能性を想像できる経験知を活かして、研ぎ澄まされた野生の「勘」を動かしていていこう!