天地結界

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美術の面白さというものは、白黒つけずにわざとあいまいにし、お互いの個性を活かしことで成り立たす。無理矢理にどっちがいいなんてしないで、双方の価値観にある面白さを尊重して、細部をつぶさないようにすることで、隠し味のようなスパイスが効いてくる。つまり優劣をハッキリとさせないでわかりにくくし、それぞれの本質に立ちいらないことで、相互が自分らしい文化を作用し合う関係になるのだろう。
「下瀬信雄展 天地結界」。自然は自然のままに触れぬことで、人間では演出できない美しさができ上がってくる。例え人知を絞って造成したところで、自然の刻々と変化していくしたたかさには勝てない。自然の素晴らしさを称賛し、こだわらない寛容さで受け止めて、有限にない無限の世界の喜びを楽しむ。眼では見ることのできない「聖域」を写真で表現して、自然の大切なものを気づかせれる名作だ。ぜひ美術館でご覧ください!
■下瀬信雄展 天地結界 2019年5月23日(木)~7月7日(日) 9:00-17:00(入館は閉館30分前まで) 休館 月曜日(ただし6月3日(月)、7月1日(月)は開館) 観覧料 一般1200円(1000円)、シニア・学生1000円(800円) ※シニアは70歳以上の方。( )内は前売・20名以上の団体料金。18歳以下および高等学校、中等教育学校、特別支援学校に在籍の方等は無料 山口県立美術館 山口市亀山町3-1 http://www.yma-web.jp/