コサカ君に会った時の第一印象は静かな闘志を燃やすタイプだなと思った。ここで私と彼を引き合わすために連れてきた仲間がプロフィールなどを紹介し、時よりこちらからいう質問に言葉少なに答えてくれた。まだまだこの世界を右も左もわからないこともあったのだろう。しかし、今時の若者は知っていることを雄弁に語り、強く自分をアピールしようというのが一般的。だから稀なことに好感を持ち、独学とは思えない作風に将来性を感じ、身の丈を十分にわきまえた言動が良かった。
後日、打ち解けてからは少しずつ自分らしい言葉で世界観やこれまでの成育史を語ってくれた。いつもいろんなことを自分なりにあれこれと深く悩んで、彼の友人からは「おまえは考えすぎだ」と言われることも多いという。たしかに、そのこだわりがあるからこそ、やさしく丁寧に水彩絵の具を画面に施し、かつ、短時間で仕上げていく集中力に繋げている。また、写真のようにリアリズムでありながらも、その画面に自分の個性を散りばめて、杓子定規なクールなカラーではなく、どこか心があたたかくなるホットさで表現する。自分らしい視点や高度な技術力の修得など、まだまだこれからやるべきことは多々あるけど、おそらく彼はそれを黙々とやっていけるように思う。その姿勢のまま、頑張り続けることを期待しています！
■コサカダイキ個展 ポジとネガ 2019年6月21日（金）～30日（日） 11:00-19:00 定休日 6月25日（火）、26日（水）
