飛耳長目

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「飛耳長目(ひじちょうもく)」とは松陰先生の教え。その意味はわかりやすく言ったら、自分の足で稼いだデータベースのこと。松陰先生は兵学者として日本中のあちらこちらを歩き回り、また、江戸から戻ってきた藩士などに会って、様々な情報に触れていくことで、見聞を広めていくことに力を注いでいた。あらゆることに耳を澄ませてよく聞いて、目もしっかりと開いてよく見ることで脳裏に刺激は刻まれていく。
だから松下村塾の塾生たちには、いつもアンテナを高く張って、いろいろな情報を積極的に体得し、それに基づいて行動しようと鼓舞していた。さらに意見を論ずる時には、自分の足で稼いだ情報で語ること。腑に落ちないことを言えば、机上の空論になってしまうだろう。例え稚拙だと思われても、自分の中にある言葉で、自分らしく語り合うことで個性は育つ。自分で考えて実践することの大切さを説いていた。
いつの時代になってもこの教えは万能なもの。現代はネット社会になって、簡単に多くの情報を得られるようになったが、実際に自分が動き回って得たものではないため、調べた情報はすぐに忘れてしまう人が多い。その瞬間はわかっても、次の瞬間には新しいことに気が移って、自分自身の遺伝子にインストールできないのだ。つまり美術仲間と語り合おう!自分の考えていることを素直に話し合って深めていこう。遠回りに思えるかもしれないが、それが一番着実な成長への道になる。さあ、自分らしい言葉で仲間と美術談義をしよう!