挑む

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「菲才あるいは敗をいたすも、素志はついにくだけず」とは、松陰先生のお言葉。その意味は「自分には才能なんてないとか、力不足で失敗をしたとか、とにかく、上手くいかなくても気にすることはない。どんなことがあったとしても、平素から抱いている志は最後までくじけることはない」である。
昨日、急な所用で萩市へ行った時のこと、約2年ぶりに知り合いの若者と出会う。ほんの少し前の学生時代とはえらく違い、それなりに社会人らしい顔になっている。もちろん、課題は山のようにあって発展途上の段階。これからやるべきことはたくさんある。ただし、それらすべては夢と希望であって、上手くいくと信じて努力すること。美術は人から教わって学ぶより、徐々に感性を慣らすことが大切だ。世の中の知識や常識に染まらないで、自分らしい発想が独創性を高めていく。
私は短い時間に期待を込めたエールを送った。本気になって頑張ろうぜ!ついつい知識や常識だけで考えると、直感で感じたことを否定しやすくなる。必要以上に情報を収集することでかえって迷い、なかなか浮かんだイメージを制作する気が失せてしまう。やはり自分の壁を打開するのは自分しかいない。いたずらに結果を憂えることなく、美術への愛を貫くことにこだわっていく。美術は創作へ挑戦してこそ、素晴らしい世界観を創り上げる。自分の弱さに打ち克つことを意識して、才能がまだまだならまだまだなりに、ゆっくりと息長く創作し続ければいい。いつかわかるさ、人それぞれが。その日を楽しみに待っている。