発見

f:id:gallerynakano:20191011000015j:plain


いわゆる自分がやりたくないと感じたことは無理してやらなくてもいい。その理由はよくわからないことでも、とにかく気が進まないで自重するのは、野生の勘が拒否することで起こるのだ。そう、人類がここまで生き延びることができたのは、直感というセンサーが体内にあったおかげ。メガデータを元にコンピュータで弾き出した答えがなくても、すべての人に違和感というセキュニティシステムが備わっている。いつもこの機能が自然に動いている人は、見た目だけで騙されることないだろう。もし罠に陥るとしたら損得勘定が頭の中をよぎった時。世間一般の面白おかしい情報に踊らされて、成功するためにはやらねばならぬと錯覚し、前のめりになってドツボにはまる。甘い言葉ばかりに誘惑されて、いつの間にか常軌を逸して自滅するのだ。

そのかわりやりたいと心にひらめくことはとことんやっていこう。人生を楽しく生きていくには胸に熱いものがこみ上げてくる感情を羅針盤にしていく。それは常識と違っている場合でも尻込みすることなく、少しばかりは大目に見るという寛容さが必要になる。決してなんでもかんでも楽しかったらいいという訳ではない。この世の価値基準には内と外の2つがある。外にあるものばかり気にしていると諸行無常で流されていく。内にあるものを汲むようになると、「まあ~、こんなこともあるさ」と慈悲深い気持ちになって、自分を客観的に見ることができるようなる。つまり人生はメリハリを持って生きること。なんでもありの根性では自堕落になってしまう。美術家として生きたいのなら、美術家にふさわしいケジメを持っていこう。

昨日、アーティストトークを聴いて、そのようなことを痛感させられる。自分自身の発見に愚直になること。今やらなければ後悔するという危機感は素晴らしい。そうやって自分の世界を切り拓いていった。これから楽しみにしている。創作が面白いから幸せなのではない。創作するのが面白いから幸せなのだ。これからもその姿勢のまま活躍することを祈る。