ユーモアだ!

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ことわざの「冗談にも程がある」とは、いくらふざけていう冗談にも程度があって、ほどほどに度が過ぎずにしておかないと、実害を及ぼすことがあるというたとえ。いわゆる「ユーモア」というもので、人の心を和ませるようなジョークや気の利いた言葉で笑いを誘う洒落のことだ。

昨今、人と人とが行き交う社会の中で潤滑油になる、この「ユーモア」が欠乏しつつあるのではないか。決まった考え方に捉われたり、形式にこだわり過ぎて、ものごとの融通が効きにくくなっている。その原因の1つは人々の感性が弱くなったこと。我が日本のインフラは世界でも屈指の高いレベル。道路や上下水道をはじめ、通信システムに学校や病院の施設など、便利で快適ものが次々に整備されている。しかし、そんな恵まれた環境の中で生活していると、それが当たり前のことになって感動する機会は減少する。何かに触れて素直に喜んだり驚いたりしなくなる。いつの間にか贅沢だと言われる豊満生活に染まって、鋭い感性がなくても良い社会になったのだろう。

だけどやっぱり、人はいつも何気なく周囲に接しながら、土台となる人間関係を創っていくもの。一人ひとり違う個性が重なり合う中で、コミュニケーションが良くなるように努力する。そのためには柔軟な発想力を感性が必要になってくる。ウイットに富んで包み込むような感覚が求められてくる。つまり人類最強のパスポートであるユーモアの出番なのだ。いろいろ異なる文化圏の壁を乗り越えて、じっくりと膝を交えて楽しく話すために、小さな個性の破片から生まれた言葉も見逃さない、鋭い感性をレーダーにしてコミュニティーを広げよう。これからもっと国際化が進む社会の中で、自分らしい個性を発揮するために、ユーモアのセンスを磨いて参加しましょう!また、来年こそはエイプリルフールが楽しめる日が戻ってくるように、平和で平凡な豊かな日々を取り戻すために、みんなで戦っていきましょう!