多様性

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「人の長所が多く目につく人は、幸せである」という名言がある。私はこの言葉で言いたいのは、日ごろから人をよく観察すること。どういう長所を持っているのかを、客観的に見られる目が養われていれば、その人らしいものが発見できるようになれる。その反対に不十分だと、ついつい見た感じの良さに目を奪われて、中身が伴わないものを勘違いしたり、外見がパッとしないものを見落としたりするもの。

だからいろんなタイプの人と付き合っていこう。似たもの同士ばかりの輪の中にいると、それに慣れてしまうと視野が狭くなっていく。多種多様な人たちに揉まれていくうちに、人それぞれ良い面は違っていて、素敵な個性があることがわかってくる。

美術作品も同じこと。できるだけ好き嫌いなく、幅広い分野を観ることで、豊かな感性が育まれていく。しっかりとした眼力があれば、作品の個性を肯定的に観ることができる。異質なものを認めなかったり、排除しようなんて思わなくなる。つまり、自分のモノ差しの精度を高めて、小さな美点を味わうことができれば、自ずと至福の時間が増えてくるだろう。