フィーリング

f:id:gallerynakano:20201228220908j:plain


「客の好むものを売るな。客の為になるものを売れ」という名言がある。

自分の個性や主義主張を曲げてでも、お客の好みに調子を合わせれば、例え売れることはあっても、それ以上のことは何も生まれない。だからこそ、お客自身が思い浮かばないような価値観を与えていく。本当にその人の為になるものを売った方が、長い目で見れば深い信頼を築くことができるのだ。

このことは美術作品でも同じこと。観る人の目線に合わせてばかりいると、売れるとか売れないとかの前に、感性を刺激しない空虚なものになるだけ。それよりも観る人に新鮮な感覚を目覚めさせてやろう。作品を観たことがきっかけに、今まで関心がないことに興味を持たせて、人生の視野を広げて豊かにするのだ。そう、美術家はイマジネーションを売っている。目に見えないものを感じさせるために創作している。