未来予報図

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約20年前、上京した際に美大のベテランの先生と出会った。この方は元々フリーの美術家で創作活動していた。ある時、美大にスカウトされて教鞭をとることになる。本人曰く、とてもラッキー!今日のお金を心配しなくてよくなり、計画的に創作活動できるようになって、作品の質を高められるようになった。そこで学生を食事に誘っては、あれこれ語り合って、ご馳走して恩返していると豪快に言われた。ちなみにこの夜の私も恩恵に預かる。ごっちゃんです!某美術家のオープニングで初対面だったのに、本当によくしていただいた。感謝、感謝です。

それはさておき、その時に先生が「テレビで経済情報が増えてから学生の気質が変ってきた。銀座でこの作品展を観て来いと教えたら、それまでなら自分なりに作品の感想を語ったが、今は作品の値段を評価の軸においた感想が増えてきた。たしかに売れる売れないは大事なこと。だけど、そういう相対的な価値観に惑わされては、その人らしい独創的な作品は生まれてこない。例えるなら売れっ子の作品をお手本にして、少しだけ雰囲気を変えて描いたら、それで良いと恥ずかしげもなく言いそうだ。このままいけば本当に困った時代になるのかもしれん」と危惧されたことが言葉があった。さすが美術家。未来も的確に想像している。今現在、そういう人は増えてきている。パソコンを使えば簡単にできるようになった。このままいけば、そっちの方がメインになるかも。ただし、まだまだ大丈夫。創作の入り口に立とうとする若者は後を絶たない。それしかないのだからそれでいくしかない。正しい作品の価値観を基本にして創作していこう!

■はやしいくみ 個展 夏のわすれもの 2018年9月21日(金)~25日(火) 11:00-19:00(最終日は17:00まで)