美術力

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もし、よくわからない美術作品と出合ったら、「そういう感覚や表現があるんだな」と一歩引いて触れてみよう。ちょっとした違和感は新しい発見への試金石。少し視点を変えるだけで面白味がわかってくる。また、大きくずれてしまったら、自分の感覚を見直すチャンスにしていこう。目のつけどころを変えて、いま楽しめることにこだわっていく。興味のスイッチさえ入ってしまえばこっちのもの。好奇心がみなぎっていくだろう。

このところ社会の価値観はますます多様化している。一人ひとりのライフスタイルは個性化している。だからこそ、寛容の精神で接していかなければ、ギクシャクすることが増えて、円滑な関係が成り立ちにくくなる。美術はそんな世間を渡るためのワクチンのようなもの。心で見なければならないものを感じさせてくれる。答えのない不思議なものとの付き合い方を柔軟にしてくれるのだ。