トルメンタ

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この年末年始に行われた高校サッカー選手権大会で母校サッカー部は全国3位の座を射止めた。本当にめでたいこと。私は在学中から40年を超えるサポーター活動が実ったような達成感が得られて嬉しかった。また、そんな私に友人知人たちからお祝いの言葉をたくさん頂戴する。たしかに応援歴は半端じゃないけど、実際はただの一ファンだから恐縮するばかりだ。
しかしながら積み重ねはやはり財産である。君が代の 「さざれ石のいわおとなりて」のように、小さな石でも集まって、長い年月の風化で大きな岩のようになっていく。純粋に好きだからブレずに応援していたことは、いつの間にか儚い青春の目撃者として大きな役割を担うようになる。いくつもの悲喜こもごもを目をそらさずに見続けた体験から生まれる言葉は、自然と味わい深くなるのだろう。
ちなみに、このたびの大会で母校サッカー部がゲーム中に披露した「トルメンタ(スペイン語で嵐)」と呼ばれるセットプレーがあった。自軍フリーキックの際に、選手同士が手を繋いで円陣を作って、ぐるぐる回りながら相手チームの守備をかく乱し、得点チャンスの確率を高くするトリックプレーだ。これはコロンブスの卵のようなもので、一見誰でも思いつきそうなことでも、それを最初に実行するのは至難なこと。そんな若さ満点の秘密兵器を屈指し、ピッチの上で華やかに戦った選手たちの姿を見て、心を熱くした方々がその気持ちを語りあいたくて仕方がなかったのだ。なんてありがたいこと。今週もここまで熱気は冷めないまま、あたたかいコミュニケーションのままだ。きっと、トルメンタの風が吹き続いている。地球もサッカーボールも丸いから、まわりまわってぐるぐるとやってくる。オレンジ色の風は心地いいものだ!