いわゆるユーモアとは人と人とが触れ合う時に、その場の雰囲気を和ませてくれるエッセンス。やさしく鼻先をくすぐるような茶目っ気があって、ジョークやセンスのある言葉で笑いを誘う洒落のことだ。このやりとりによって豊かで活力に満ちたエネルギーを感じさせてくれる。決して、道化師が相手役と身体を張ったドタバタコメディで、相手を馬鹿にしてからかうような笑いではない。これは他人ごとだと割り切るから笑えなくはないけど、しっかりと見てみると痛々しい内容だったりする。また、人のことを見下すようなせせら笑いのことでもない。毒舌とも言われるとおり、マイナスのエネルギーで包み込み、紙ヤスリでこすられるようなザラザラさがある。いつの間にか見る人の正常な感覚を麻痺させ、他人を平気でディスってしまう狂気を感じる。
だからこそ、今一度ユーモアというものは、どんなものかを考えて楽しんでみる。ユーモアとは心と心のふれあいから始まるコミニュケーション。杓子定規な考え方で真面目くさって語るだけではなく、ちょっとくらい緩急をつけてユニークに語ってみる。それによって会話の中で生じる小さなすれ違いが円滑になるだろう。なぜなら、相手に対する愛と思いやる気持ちが原点にあって、ちょっとした脱力感で精神的緊張を解きほぐす。本質を弾力性のあるオブラートで包んで、柔らかい空気が漂う世界へ導いていく。ユーモアのある笑いのセンスを磨いて、人間力を豊かにして出会いを楽しもう。
