歩々是道場

禅語にある「歩々是道場(ほほこれどうじょう)」とは、読んで字の如くし、どんな環境にいようとも、その人の心掛け次第で道場になるという意味である。いわゆる修行と言えば、どこか人里離れた場所へ出向いて、静かな環境で心を整えて鍛えることだと思われている。

しかし、禅の世界でいう修業とは、そのような特別な場所や道場で行うことだけではない。日々の暮らしの、そのすべてが道場であり、言うことと行なうことのすべてが修行だとしている。自分のいる環境や場所などのせいにしたり、頑張っても無駄だと言い訳してはいけない。

つまり、今することなすことのひとつひとつが修行だと意識を高くしていく。そうすれば目に入ってくる景色は大きく変わってくる。至るところに生きるために必要なヒントを発見できるようになる。素直な心で行動していけば、直感で何かを掴めるはず。人生はすべて修行なのだから、失敗することを恐れず、絶えず挑戦を繰り返していく。日常の何気ない生活や仕事のなかで、 自分を磨き、自己を高めていけばいいのだ。