道草

漫画家 手塚治虫の名言に「好奇心というのは道草でもあるわけです。確かに時間の無駄ですが、必ず自分の糧になる」がある。

道草とは、馬が道端に生えている草を食べていて、なかなか進まないことから、目的の所へたどりつく途中で、他のことについつい関わって時間を費やすことを意味する。さまざまな価値観に触れていくことで、これまでより視野が広がって発想が豊かになるので、新しいものを創り出すために必要なことだと言えるのだ。

とは言え、すべてのことが道草だったら、それは道草だと言えなくなる。あくまでも、あらかじめある程度の本道なり、生きる主目的と言えるものがなければ、どこまで行っても右往左往するだけになる。道草は人生でやらずにいられないことがなければ成り立たない。それがなければ、ただの現実逃避にふけて無駄に終わってしまう。つまり道草とは、自分の生きようとする方向を定めて、その途中の道をいくつも楽しむこと。心をリフレッシュさせて、最後まで歩き続けるための充電を言うのだ。